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ショパンコンクール2次予選が終わって・・・

膝小僧を抱え、日も暮れた部屋でひたすら孤独と戦っていたのはいつだったっけ。私は私と一緒にいることしかできないのかな・・この膝小僧と向き合いながら一人で生きていくしかないのかな・・・。
自分の感受性を持て余していた10代の頃。
そんな感覚をまざまざと蘇らせたのがオロフ・ハンセンOlof Hansenの演奏。
今回のショパンコンクールで聴く多くの演奏者とは全く異なるスタンス、別次元に在って弾いているかのような印象を与えられ、深い共感を呼び起こされました。音色がどうの和声感がどうのなどと構えて聴いていた自分を放り出し、ただぐいぐい惹きつけられ心が震えるのを感じながら聴いていました。

そのHansenは残念ながら2次予選を通過することが許されませんでした。3次予選から先の演奏を聴くことは出来ません。
画面で見る彼の演奏からはグレン・グールドにも通じるような孤高の芸術家の姿が伝わります。
ピアニストである以上に芸術家としての高い資質を感じさせるこの人が何故落とされるのでしょう?
彼が非常に強い独自のスタイルで演奏しているということは言えると思いますが、ショパンの音楽とかけ離れているとは言いがたく(少なくとも私の中では・・)この人が2次予選を通過できないのはとても残念です。

そんなわけで今回のショパンコンクール、今ひとつ腑に落ちないものを感じながら私の中ではもう終わったような気分にさえなっています。
ピアニストの登竜門であるコンクール。ピアニストはピアニストであると同時に芸術家でもあるはずです。
コンクールの在り方と芸術家が世の中に出て行くこととの噛み合わなさみたいなものを改めて突きつけられています。
いかがですか?


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